【華流】燕雲台 感想
燕雲台【★★★★☆】
中国で初めての征服王朝である遼(契丹人の王朝)が舞台のお話。
賢くて活発な少女「蕭燕燕」が、
強大な力を持つ皇太后となるまでを描いたドラマです。
全60話。
実在した人物を題材にした時代劇ドラマで、
ドキドキハラハラする権力闘争やロマンス、
美しい映像や豪華絢爛な衣装など、
中国時代劇ドラマの見どころがバランスよく楽しめるドラマかと思います。
ただ、正直に言いますと、
結構そつなくまとまりすぎていて、
途中「ちょっと長いな~」と感じてしまうところもありました。
(同じ脚本家が手掛けた「ミーユエ」はもっとドラマチック&ドロドロしていて面白かったような…)
でも、全体としては、
うん、面白かったです!
見どころ1:仁義なき皇位争い
本作品の舞台は中国の北部に契丹人の建てた王朝「遼」、
時は遼の第4代皇帝「耶律璟」の時代です。
(中国では宋の時代)
耶律璟は非常に残忍な性格の皇帝で、
かつ跡継ぎも無かったことから、
皇帝の座を狙って「耶律氏」の間では皇帝の座をめぐる争いが水面下で始まっていました。
この争いがほんと、家族間なのに結構えげつなくて目が離せません。
(だから面白いんですけど^^)
しかもこの皇位争い、
「耶律氏」に嫁いだ女たちの争いも絡んできて、
さらに面白くなっていきます。
見どころ2:蕭燕燕と韓徳譲のロマンス
主人公「蕭燕燕」と、
遼の重臣の息子である「韓徳譲」は思いを寄せ合うも、
2人は引き裂かれてしまいます。
その理由の一つ目は、二人の身分に隔たりがあること。
「韓徳譲」は漢人であり、重臣の息子とは言え契丹人の貴族からするとよそ者&格下扱い。
一方、
「蕭燕燕」の家系は遼の皇后を輩出するような位の高い貴族の家系なんです。
そして理由の二つ目は、
「蕭燕燕」が皇帝(前述の「耶律璟」から皇位を奪還した「耶律賢」)
から婚姻のオファーを受けてしまったこと。
二人はお互いをあきらめざるを得ませんでした。
でも、これで終わらないのがこのドラマの面白いところでした。
二人とも、成長していく過程で恋心に折り合いをつけ、
自分の使命を果たすべく立派な皇后とその重臣になっていきますが、
最後、「え?あ、それ、ありなの?」という展開が待っていました。笑
皇帝「耶律賢」の懐の深さと、
「蕭燕燕」の強さに脱帽です。
見どころ3:キャスト
この作品には、人気・実力ともに兼ね備えた俳優さんが多く出ていた印象です。
ティファニー・タン(蕭燕燕役)
「王女未央」「金欄良縁」をはじめ数々のドラマで主演を張ってきた女優さん。
今回はまだあどけない少女から強大な権力をもつ皇太后になるまでを演じていました。
この女優さん、もちろん美しいんですが、どこかエキゾチックな雰囲気もあるので、
今回の遊牧民族の衣装がめちゃくちゃ似合っていました。
ショーン・ドウ(韓徳譲役)
「楚喬伝」「海上牧雲記」で二番手ながら存在感抜群だった醤油顔の俳優さん。
今回は恋に破れながらも自分の仕事を全うする忠義の臣下役。
この方の実直そうな見た目が、役にめちゃくちゃはまっていました。
ジン・チャオ(耶律賢・第五代皇帝役)
「如懿伝」にも重要な役で出演していた俳優さん。
「如懿伝」でも書きましたが、この人めちゃくちゃスタイルがよくて、
スーツ着たらマジで格好良いんです。
カーメイン・シェー
「瓔珞」で嫻妃を演じていた女優さん。
今回は蕭家三姉妹の長女(蕭燕燕の姉)として、
家族や姉妹の絆を何とか保とうと奮闘する頼れるお姉さん役でした。
最後徐々に悲劇的になっていきますが、
この方の、強さと哀愁漂う感じを兼ね備えた雰囲気が、
役にマッチしてとても見ごたえがありました。
まとめ
このドラマ、漢民族以外の民族が中国の一定の面積を長期にわたり支配した初めての王朝である「遼」をテーマにしている、
という斬新さと、
ドラマを盛り上げる様々な要素が偏ることなくちりばめられている、
というバランスの良さがありました。
筆者としては、もっとはまったドラマがたくさんあるので、
このドラマ絶対見て!とまでは言えませんが(長いですし)、
中国の時代劇が好きで、
ファンタジー系よりも史実に基づいた物語のほうが好き、
という方には楽しめるドラマかと思いますので、
そういう方にはおすすめできるドラマかと思います。